遺言書保管制度の創設
1. 遺言書保管制度の創設
令和2年7月20日に、新たな制度として自筆証書遺言の遺言書保管制度が創設されました。これにより、従来の自筆証書遺言の
① 作成した遺言書が法律の要件に則っていないために無効になるリスク
② 自宅で保管する場合の紛失するリスクや死後発見されないリスク又は第三者により悪意による改ざんされるリスク
③ 死亡後に家庭裁判所の検認手続きが必要
といったデメリットが解消されることになりました。
2. 遺言書保管制度のメリット
① 遺言書が法的に有効かどうかを事前にチェックしてもらえます
② 死亡届と連動して、予め指定された相続人に遺言が保管されていることが通知されます
③ 死亡後、裁判所による検認手続きが不要となります
3. 遺言書保管制度のデメリット
① 申請には、必ず本人が住所地もしくは本籍地を管轄する法務局又は所有する不動産を管轄する法務局へ出頭する必要があります(郵送はNG)。
② 遺言書の様式には細かい定めがあり、原本が返却されません
③ 内容についてのアドバイスはもらえません
4. 手数料
この制度を利用した遺言書の保管申請費用は遺言書1件につき3,900円の定額です。ちなみに公正証書遺言の場合の手数料は、財産の分け方と財産の価額により変わりますが、最低50,000円程度はかかります。
5. 相続税を考慮した遺言書作成を
財産の分け方により税負担が変わってくることもありますので、遺言書を作成する場合には、相続税負担も考慮した分け方にすることが重要になります。当事務所では、相続税の試算や遺言書作成に関するご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。