相続税について②
(2)相続税の金額
続いて具体的に相続税がどのように計算されるかを見ていきましょう。
相続税の一般的な計算は次のように行います。
①各人の課税価格の計算
相続や遺贈(遺言によって財産をもらった場合)によって取得した財産の額から非課税とされる財産の価額を控除し、さらに葬式費用の額を控除します。この金額を純資産価額といいます。
この場合の財産にはみなし相続財産など特殊なものも含まれます。
この純資産価額と相続開始前3年以内に暦年課税に係る贈与によって取得した財産の価額の合計額が各人の課税価額となります。
②相続税の総額の計算
まず、上記①で計算した各人の課税価格を合計して課税価格の合計額を計算します。その金額から基礎控除額を差し引いて課税される遺産の総額を計算します。これが課税遺産総額です。
また、基礎控除額とは平成27年以後に相続が開始した場合には【3,000万円+600万円×法定相続人】の数となっています。
次に、課税遺産総額を各法定相続人が民法に定められている法定相続分により取得したものとして、各法定相続人の取得金額を計算します。この金額に税率を乗じて相続税の総額の基になる税額を算出します。この各法定相続人ごとの算出税額を合計したものを相続税の総額といいます。
③各人ごとの相続税額の計算
②によって計算した相続税の総額を、財産を取得した人の課税価格に応じて割り振って、取得した人ごとの税額を計算します。
【各相続人等の税額=相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の合計額】
④各人の納付税額の計算
③によって計算した金額から、各種税額控除を差し引いた残りの金額が納付額になります。
以上が相続税の計算の流れです。
相続や遺贈によってもらった預貯金や土地などのプラスの財産から借入などのマイナスの財産を控除して、さらに葬式費用などを控除した金額が基礎控除の範囲内であれば相続税はかからないということになります。
そして、それぞれの税額控除の特例等を加味した金額が相続税の金額ということです。