会葬者に配布した商品券は葬式費用となるか?

最近の国税不服審判所の事例を紹介します。

1. 概要
 会葬者らに配布した商品券(3,000円)が葬式費用となるか、それとも「香典返し費用」として葬式費用とならないかについて争われた事例です。(国税不服審判所令和3年1月20日裁決)

2. 葬式費用とは(相続税法基本通達13-4)
(1)葬式若しくは葬送に際し、又はこれらの前において、埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式とを行うものにあっては、その両者の費用)
(2)葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
(3)(1)又は(2)に掲げるもののほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
(4)死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用

一方で、葬式費用に該当しないものは下記のように例示されています(相続税法基本通達13-5)
(1)香典返礼費用
(2)墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料
(3)法会に要する費用
(4)医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

3. 裁決要旨
(1)請求人の主張
 通夜及び葬儀の際に参列者に渡した商品券(本件商品券)は、香典金額の多寡に関係なく一律に渡したものであり、また、高額であった香典に対しては後日香典返しを行ったことなどの諸事情からすれば、本件商品券は会葬御礼の性質が強いものであることから、その購入費用は香典返礼費用ではなく、葬式費用として相続財産の価額から控除できる。
(2)国税不服審判所の判断
 本件商品券は、葬儀等の受付において受領した香典の件数に対応して渡されているほか、自宅等で香典を受領した際にも渡されている一方、香典の有無に関係なく葬儀等の参列者全員に渡されていたことを示す証拠もないことからすると、受領した香典に対する返礼品、すなわち香典返しであると認められる。したがって、本件商品券の購入費用は、相続税法基本通達13-5(葬式費用でないもの)の(1)に定める香典返礼費用に該当するため、相続税法第13条(債務控除)第1号第2項に規定する葬式費用とはならない。

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