みなされて加算されて・・食べられる?~課税財産について~

これから2回にわたり、どんな財産に相続税が課せられるのか(課税財産)、課せられないのか(非課税財産)見ていきましょう。今回は課税財産です。

課税財産は、私たちが相続と聞いて通常イメージする財産よりも少し広い範囲の財産となります。大きく3つに分けました。①が通常相続と聞いたらこれだな・・というもの、②・③はやや相続税法独特のものです。

 

  • 本来の相続財産

被相続人が生前から既に所有しており、相続や遺贈で引き継がれるもので経済的価値のあるもの。

現預金・土地建物・有価証券・金の延べ棒など貴金属・事業用資産・家庭用資産・貸付金・著作権等。

被相続人のものであれば、家族名義の預貯金、登記・登録をしていない不動産・株式も含まれます。ここは税務調査でよく問題になる点です。

不動産・動産はその所在地、債権は債務者の住所等、預貯金は受け入れ営業所の所在地等で国内外の判定を行います。外国債は国外にある財産と判断されます(財産の所在地は、納税義務者の区分に応じて重要となります)。

 

  • みなし相続財産

被相続人が死亡時に所有していたものではないけれど、被相続人の死亡によりもらえるのなら①同様に相続財産としてもいいですよね?

生命保険金、退職手当金、定期金に関する権利、信託に関する権利等がこれに当たります。

ただし、生命保険金や退職手当金はその後の生活救済が目的ですので、一定額までは相続税がかからないことになっています(次回の非課税のところで詳しく)。

 ネコとアヒルの保険は外資系だから国外財産・・・とはならず、保険契約事務所・営業所で所在地を判断します。

 

  • 生前贈与財産・相続時精算課税に係る贈与財産

  贈与税は相続税の補完税でした。よって贈与税課税直後の相続では、「贈与税のまま終わらせるなんてプライドが許さんぜよ!相続税に課税し直すぜよ!」と相続税が言ったとか言わないとか・・。

そこで、相続前3年以内の贈与財産の贈与時の価額を課税財産に加えて相続税額を算出します(贈与税と相続税のダブル課税とならぬよう調整がありますのでご安心を)。なぜ3年以内とするかについては、被相続人がある程度死後のことを考えて財産を整理しはじめるのがだいたい3年以内・・という生々しい見方もありますが、課税技術的な大人の判断という見方のほうがスマートですね。

相続時精算課税制度を利用して被相続人から贈与を受けた人は、贈与を受けた財産の価額を課税財産に加算します。この場合も、相続時ではなく贈与時の価額で加算することとなります。

 

以上相続・遺贈と死亡を原因とする財産の移動について見てきましたが、贈与についても、本来の贈与財産(「あげるね!」→「うん!」の諾成契約)・みなす贈与財産という考え方があり、基本的に相続等と考え方は同じです。

 

私にも手が届く金の延べ棒といえば・・・フィナンシェ!

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